日別アーカイブ: 2018-01-22

スモールチェンジ

原材料の高騰が影響

最近、物の大きさがいつの間にか小さくなっています。これは原材料が高騰したのに価格に転嫁できずに、事実上の値上げをもくろんだ結果です。先刻、NHKが特集で報じていてその現象を《スモールチェンジ》と名付けたと語っていました。

嵩を少なくすることで材料費を抑えています。質を落としたり、水分の量を増やしたりして経営を続けている様は努力を認めつつも、いじましさも感じます。商品本体のサイズを変えると包装紙や箱のサイズも変更になりますがそこは端折って手を付けないことが多いようです。全体の積み荷サイズは変わず輸送費の節約につながらないので付け焼き刃的施策と言わざるを得ません。

インスタントコーヒー、納豆、菓子などは一様に小さくなっています。ハムなどはサイズが不変ながら枚数が少なくなっています。しゃけの切り身、ちりめんじゃこ、キャラメルなどはスモールチェンジがしやすく、インスタントコーヒー、尾頭付き魚、野菜などは知恵を絞ることになります。

知恵の絞り方

値上げせずに利益を維持するには、クラスを下げざるを得ません。尾頭付き魚や果物は小さなサイズ、野菜は半切り、贅沢付属品は削除などの方法があります。

スーパーでこれらが一気に始まったときは、行政がこの地区を低所得者特区に申請したのかなと疑ったほどです。

乾電池の本数を減らし全体の価格をちょっぴり下げる方法は巧妙な値上げです。納豆付属品の練りがらしは前よりは水っぽくなっています。作る側からも「水の味しかしない豆腐」に疑問を呈する声が挙がっています。

やむを得ぬ策か

スモールチェンジの傾向は食品だけかというとあらゆるところに蔓延しています。初詣祈願の祈祷札についてくる縁起物が年々、小さくなっています。実質的な値上げが統計上に反映されないので、いつまでもデフレ状態から脱却できず消費者心理に悪影響を及ぼしているのではないだろうか。

値上げあるいは実質値上げになって消費者として負担を強いられているのなら、せめて経済の統計に貢献したいと考えるのは庶民のほのかな願いといえましょう。

生活防衛と根本対策

図書館の電球なども3個使いが2個になっていたり努力がうかがえますが、公営住宅や道路の街灯はかなりの照度にならないと消えない古いタイプです。雨模様で暗い日には日中でも点灯しています。

水道管、橋などインフラの寿命がやがて一斉にやってきそうです。高度成長はうたかたの夢と考え、地道な生活防衛を迫られています。