日別アーカイブ: 2022-02-14

どこへ行く日本

列強からの圧力

「イラストAC」より

外国の蒸気船がたびたび日本近海に現れて久しいころ、列強の圧力をはねのけ国内の混乱を何とかまとめて、アジアで逸早く(いちはやく)近代化に成功させた日本はその後150年間、アジアのリーダーとして君臨してきました。

その間、様々なできごとがありました。15世紀の大航海時代から始まった西欧列強のアジアへの植民地進出や近代に至っての米国のアジアへの圧力が国の危機感を募らせて近代化に踏み切らせたのでしょうか。

それらの意義等については近代史の専門家にお譲りすることにして、当サイトでは世俗的、井戸端会議的な話へ進んでいきます。

老舗意識はまだ早い

明治維新以来、富国強兵策はある程度、功を奏したようです。手本となるべき欧米の良いところをひたすら取り入れて国力を上げてきましたが、長年にわたって鎖国を敷いてきたにわか国際国家は外交的に行き詰りました。

大国との国力差は歴然としているのに身の丈以上の戦争に突入し敵失(ロシア革命等)で日露戦争に勝ってしまいます。津々浦々まで提灯行列でお祭り騒ぎの報が残っています。

その後、敵国となった言葉や文化なども使ってはならないというお触れが出ました。まだまだ参考とすべき教えが山ほどあったでしょうにその道は閉ざされました。

そして、太平洋戦争の終結を迎え今日に至っています。

ひところ、日本在住のノーベル賞受賞者が数多く出現し名誉なことと国中が湧きましたが、最近では日本出身でアメリカ国籍取得の元日本人が多くなっています。これもめでたいことではありますが、少し残念な思いがします。過去の遺産で生き延びている気がしてなりません。

現実に正視して向き合う

日本は江戸時代の寛永年間から約200年にわたる鎖国を経て開国に舵を切って以来、第二次世界大戦期を除いてひたすら欧米を手本として発展してきました。

40年数年前、高度成長期を迎え、我が世の春を謳歌しました。それが飽和状態になり安定成長となり、多くの大衆には小さな安堵感を抱かせ、未来永劫に世界No.2の経済大国を続くような気にさせられました。

揺るぎない成長は今でも継続中と思っている人々が多いように感じられます。一介の市井人が先進的なことを語ると『身内を貶めて何とする』と言われます。

だから『主要先進国の平均年収ランキングについて』については触れないできました。このことは『選良(最近は使われない言葉で今はエリート)と呼ばれる人々が適切に庶民を導いてくれるので心配に及ばず』とたしなめられるのがオチでした。

 

上の図は先日、NHKのテレビでも紹介されました。遅ればせながら、もう公知の情報です。

サッカーやバレーボールの国際試合があると応援合戦に燃えに燃える隣国に比べても、我が国の平均給与は低いということが明らかになりました。

韓国、台湾よりも低く、これからはシンガポールや中国など経済成長著しい国への出稼ぎなどが一般化してくるのでしょうか。

資源に恵まれない国の宿命

太平洋戦争の敗戦を乗り越えて戦後復興を成し遂げました。復興には国民の勤勉・努力もさることながら植民地独立や冷戦終結に向かう動きによる経済活性化というラッキーな面がありました。鉱物資源や人類屈指の観光資源が少ない国柄としてはゆめゆめ、老舗などと勘違いされることなく斬新な知恵を出して技術立国、新しい観光立国として世界をリードしていってほしいと思っています。

我が国の立ち位置を示す存在感失う「残念な20年」などの記事も目にします。これからまた、原点に立ち返りチャレンジ精神を取り戻して地道に突き進んでいきたく存じます。