歴史は勝者が作る

NHK大河ドラマ

NHK朝ドラは女性の一代記、大河ドラマは歴史上の人物の一代記をテーマにしているものが多いです。前者は女性、後者は男性を主に取り上げています。


大河ドラマは日曜日に放映されます。正月三ガ日が日曜でもない限り年が明けて一週間以内には一回目が放送されるはずですが、今年は共演者の覚せい剤所持事件の影響で半月ほど遅れているようです。

そのため、大河ドラマの番組宣伝でその場をしのいでいます。今年の大河ドラマのタイトルは「麒麟がくる」で、明智光秀をテーマにしています。NHK、民放の明智光秀を語る番組は殊の外多くドラマの放送開始が待ち遠しく感じます。その中でも、また昔から「歴史は勝者が作る」という言葉が何度も使われます。

「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉もあります。勝てば正義、負ければ不正義が一般化しています。勝ったものは称えられ、負けたものは怠け者と誹られます。負けた者の周辺からは人が去り、過去の親しい付き合いなどはなかったような顔をするのが一般的です。

権力闘争はどの組織にもあります。非情な手段で手に入れた権力は正しく使って欲しいものです。争った相手を子会社の日の当たらない部署に追いやったのに、勝者が慢心して会社をつぶした例は少なくありません。

敗者の歴史

明智光秀は織田信長の有能な家臣であったはずですが、主君から満座の席で叱責されたり足蹴りにあったドラマのシーンを一度や二度見たことがあることでしょう。光秀は裏切り者の代名詞です。本当にそうかどうかはわからないのです。江戸時代に明智光秀に関する資料はことごとく消滅したと言われています。

勝者は賢く強い人間と称えられ、敗者は不義理ものと評価されがちです。2代将軍秀忠の正室お江は織田信長の妹お市の方の三女であり、織田家は徳川家の親戚にあたり、その子孫は吉良、京極などとともに高家として処遇されました。

お市の方は戦国一の美女であり、さらに聡明であったと語られていますが、それもアンフェアぎりぎりで天下を取った権力者側の関係者であったからでしょう。主君に逆らったとされる縁者を賛美する資料は埋もれていったと推測されます。

勝者は事実によって裁かれる

「勝者は事実によって裁かれる」とも言われています。万難を排して獲得した権力は大切に行使してもらいたいものです。

後日譚

2代将軍秀忠は側室を置かなかったとある小説家は作品のなかで語っています。会津藩の藩祖は秀忠の四男保科正之です。

幕末に貧乏くじを引かされ徳川の威信を引き受けた会津藩の苦悩・奮闘ぶりを描いた司馬遼太郎の『王城の護衛者』には「会津松平家というのは、ほんのかりそめの恋から出発している」と書かれています。

そして3代将軍は秀忠とお江から生まれた家光に引き継がれました。書き出しのフレーズに惹かれて夢中になって『王城の護衛者』をむさぼり読んだ記憶がよみがえりました。

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