枕草子を朗読
HTMLを用いて、平安中期の歌人『清少納言』《枕草子》の朗読作品を作りました。ネット上にはプロの声優さんが参加した作品が数多く登録されています。ここでは朗読にはAIによる音声ツールで朗読しています。哀切、熱情のこもったプロの作品にはとてもかないませんが、文字を起こしてテキストデータを作っての表現は音読への道を開いてくれるでしょう。
無機質に近い音声は芸術には程遠いですが将来の発展性に期待しましょう。
後日談
ブログの表現は音声よりテキストです。朗読用データはテキストで与えられます。そして、現代版作品以外は旧仮名が混じっています。これは朗読には不向きで朗読に利用するには少し手を加えなければなりません。例を挙げれば、いふ➡言う、あはれ➡哀れ、ちがひ➡違いなどがあります。また、漢字の読み方も雁はがんよりもかりが似つかわしいことがあり、音はおと, ねと読み分けるとよりふさわしい表現になります。この辺りは稿を改めて発表したいと考えています。
実演
《はじめ》ボタンを押下すれば清少納言似の女性による朗読が始まります。
枕草子の冒頭文を見目よく描写するには、横一二〇〇文字、縦六七五文字の表示サイズを要します。
枕草子 清少納言
春は あけぼの
やうやう白くなりゆく山ぎは
少し明りて、紫だちたる
雲の細くたなびきたる
夏は 夜
月の頃はさらなり
闇もなほ 螢の多く飛び違ひたる
また ただ一つ二つなど
ほのかにうち光りて行くも、をかし
雨など降るも、をかし
秋は 夕暮
夕日のさして 山の端
いと近うなりたるに
烏の寝どころへ行くとて
三つ四つ、二つ三つなど
飛び急ぐさへあはれなり
まいて、雁などの列ねたるが
いと小さく見ゆるは いとをかし
日、入り果てて 風の音 虫の音など
はた いふべきにあらず
冬は 早朝
雪の降りたるはいふべきにもあらず
霜のいと白きも またさらでも
いと寒きに、火など急ぎ熾して
炭もて渡るも いとつきづきし
昼になりて ぬるくゆるびもていけば
火桶の火も白き灰がちになりて わろし
春は あけぼの
やうやう白くなりゆく山ぎは
少し明りて、紫だちたる
雲の細くたなびきたる
夏は 夜
月の頃はさらなり
闇もなほ 螢の多く飛び違ひたる
また ただ一つ二つなど
ほのかにうち光りて行くも、をかし
雨など降るも、をかし
秋は 夕暮
夕日のさして 山の端
いと近うなりたるに
烏の寝どころへ行くとて
三つ四つ、二つ三つなど
飛び急ぐさへあはれなり
まいて、雁などの列ねたるが
いと小さく見ゆるは いとをかし
日、入り果てて 風の音 虫の音など
はた いふべきにあらず
冬は 早朝
雪の降りたるはいふべきにもあらず
霜のいと白きも またさらでも
いと寒きに、火など急ぎ熾して
炭もて渡るも いとつきづきし
昼になりて ぬるくゆるびもていけば
火桶の火も白き灰がちになりて わろし
【現代語訳】
春は明け方がよい
だんだんと白んでいく山ぎわの空が
少し明るくなって、紫がかった雲が
細くたなびいているようすが美しい
夏は夜がよい
満月の頃はなおのこと
闇夜も乙。蛍が多く飛びかう様は圧巻
ただ一つ二つと、かすかに光ながら
蛍が飛んでいくのも味わい深い
雨など降るのも趣がある
秋は、夕暮れどきがよい
夕日が差して、山の端が
とても近く見えているところに
からすが寝どころへ帰ろうとして
三羽四羽、二羽三羽などと
飛び急ぐ 様子はしみじみと感じさせる
まして雁などが連なって飛んでるのが
小さく見えている様はとても趣き深い
日が沈みきって、風の音、虫の音など
聞こえてくる様は、また名状しがたい
冬は早朝がよい
雪が降るさまは言いようのない感激だ
霜のとても白いのも、そうでなくても
とても寒いのに火を急いでつけて
炭をもつ手は、とても似つかわしい
昼になり、寒さがゆるみ暖かくなると
火桶の火も灰が多くよい感じがしない
春は明け方がよい
だんだんと白んでいく山ぎわの空が
少し明るくなって、紫がかった雲が
細くたなびいているようすが美しい
夏は夜がよい
満月の頃はなおのこと
闇夜も乙。蛍が多く飛びかう様は圧巻
ただ一つ二つと、かすかに光ながら
蛍が飛んでいくのも味わい深い
雨など降るのも趣がある
秋は、夕暮れどきがよい
夕日が差して、山の端が
とても近く見えているところに
からすが寝どころへ帰ろうとして
三羽四羽、二羽三羽などと
飛び急ぐ 様子はしみじみと感じさせる
まして雁などが連なって飛んでるのが
小さく見えている様はとても趣き深い
日が沈みきって、風の音、虫の音など
聞こえてくる様は、また名状しがたい
冬は早朝がよい
雪が降るさまは言いようのない感激だ
霜のとても白いのも、そうでなくても
とても寒いのに火を急いでつけて
炭をもつ手は、とても似つかわしい
昼になり、寒さがゆるみ暖かくなると
火桶の火も灰が多くよい感じがしない
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