日別アーカイブ: 2021-02-13

負うた子に教えられる

負うた子に教えられて浅瀬を渡る

年月は万人に平等に与えられます。歳、年は西洋よりも東洋で重く尊重されているように感じられます。

『亀の甲より年の功』『負うた子に教えられて浅瀬を渡る』 『老いては子に従え』『愚者もときには賢者に説法』『年寄りと金釘引込む程良い』『麒麟も老いては駑馬に劣る』『老いたる馬は道を忘れず』『経験は学問にまさる』などのことわざがあります。

先日、散歩中に成長著しい街路樹を発見し「生きとし生けるもの」の珍しい実態を写真に納めました。

4枚の写真は若木苗の植樹後、数十年の長きにわたって撮影したものに相当します。1本の木をそれほど長く観察できないので他の樹で代替したものです。

①の写真は苗木から成長間もない若木で添木(そえぎ)の存在が目立ちます。

②番目は成樹になりかけた状態です。

③番目は添木が目立たないほどに成長した街路樹を写真に納めたものです。添木は飾り物のようです。

④番目は添木の補強杭を押しのけて押しも押されぬ大木になった状態です。





 

人間も一つの生き物であり、樹木の生きざまは人生に置き換えることができます。

子育てではヨチヨチ歩きの子供を叱ったり励まして大きくしますが、育てられた本人は一人で大きくなったと思っています。

それを気づかされるのは自分が子育てをし始めた時です。かなり先のことです。子を育てた親は気が付いてみれば、年収や社会的信用なども子供に追い抜かれているのです。その有様を4枚の写真で表現しました。

『負うた子に教えられて浅瀬を渡る』については多くの解釈がありますが、「負んぶして育てた子供が自分を乗り越えるほどに成長して新しいことや親が知らないことを教えてくれる」というのも正解の一つでしょう。

おんぶする

最近、おんぶする姿はあまり見かけなくなりました。おんぶするという言葉もおんぶにだっこなどに使われるだけです。今はおんぶするよりもカンガルーのように前にだっこする形が一般化しています。

だっこする形は動きにくいです。背中に負う形の方が作業しやすいです。近代以前までは母親といえども子育てに加えて家事を含む作業が待ち受けていたことでしょう。赤ちゃんには向き合っている格好が安心できるので今のように変わってきたものと考えられます。