名前の謂れ
カーボンコピーの名前の謂れについて取り上げます。
そもそものカーボンコピー (Carbon Copy)とはカーボン紙によって2枚以上の文書を作成することを指します。 CCと略称します。 複写機やコンピュータが身近に普及する前には文書を関係先に送付するほかに、控えとしてもう一通作成していました。
複数の白紙の間にカーボン紙を挟み、ボールペンで強く書くことにより正副二通あるいはそれ以上の文書が同時に作成できました。今ではカーボン紙を使わず感圧式の紙を用いて契約書などを作成します。ボールペンを用いることは以前と同じです。
CCの使い方
Aさんには4人の友人がおり、メールアドレスが変更になったことをB~Eの4人に同時に送るケースを考えます。
B,C,D,Eの友人から各人のメールアドレスを第三者に公開してもよいという承諾を得ているものとします。
一例として左のように指定します。宛先に自分のメールアドレスを指定したのは4人の友人を同列に扱いたかったからです。
そのことを気にしなくてもよい場合は、宛先にBさん、CC欄にCさん、Dさん、Eさんを指定します。この設定では、B~Eさんはお互いのメールアドレスが知り合えることになります。
この例では、宛先にB~Eさんを指定する方が自然ですが、せっかくのCarbon Copyの説明ですのでCC欄に指定しました。
BCCの使い方
CCと似た設定でBCC(Blind Carbon Copy)があります。複数の人に同時送信できることはCCと同じですが、宛名欄に送信者全員の宛名が表記されないので、このメールを誰に送ったかは相手に分かりません。
相見積もりの依頼をする場合に、露骨にライバル社の名前を出さないなどの配慮をするのに用います。また、メールアドレスという個人情報が第三者に漏れることを防ぐ場合にも用います。
先にB,C,D,Eの友人の例で各人のメールアドレスを第三者に公開してもよいという承諾を得ていない場合は右のように設定します。
宛先に自分のアドレスを設定します。友人の一人からアドレスを公開してもよいという承諾を得たならばその友人のアドレスを宛先に設定しても問題ありません。
アドレス非公開の友人はBCC欄に設定します。このようにすることによりB~E各人については自分以外のアドレスは表示されません。
おわりに
CCやBCCの指定によるメール送信で大勢の方に、たやすくメッセージを一斉に伝えることができるようになりました。物事には必ず光と影があります。CC、BCCにすればすべてが万々歳とは言えません。
あるとき、メールで連絡し合っていた案件を関係先に電話連絡したところ、なぜ、メールにしないと大目玉を食らったことがありました。メールにするとCCで担当者の上司にも同じ内容が伝わるので、担当者のミスを和らげるために電話したことを理解できない朴念仁に閉口した経験を思い出しました。
すべてメールというよりも電話や直接、訪ねていくなどコミュニケーション技術を併用すると物事がスムースに進むことでしょう。
一つ覚えは落語の世界だけにしておきましょう。