彼岸花への想い

季節を知らせる

秋の彼岸頃には、田んぼや野原、墓地などを散策すると彼岸花の群生に出会います。真っ赤な花の群生に目を瞠ります。彼岸花(ヒガンバナ)はマンジュシャゲ、マンジュシャカとも呼ばれ、他にも多くの異名を持っていて、幽霊花(ゆうれいばな)、死人花(しびとばな)、捨子花(すてごばな)、手腐花(てくさりばな)など不吉な呼称のほか、少数派ながら天界に咲く花としてめでたい花とも称されています。

言い伝え

彼岸花は人に踏みつけられない場所に多く咲き、墓地や田んぼの畔(あぜ)などに茂ります。彼岸花の球根を食べると下痢や嘔吐に見舞われれますが、触っただけで手が腐ることはありません。

昔、年老いた世代からは、食べると死んでしまうから気を付けるようにと言い渡されていました。明治時代前までは、有毒植物には年貢がかからず、飢饉などには飢えをしのぐため有毒植物を食していたことでしょう。

彼岸花の料理には毒抜き技術があって、食糧不足という最大の有事をしのいだようです。ある大学の家政学教授が新聞に載せていましたが、十分な裏付けのもと、自己責任で食べてください。

埼玉県日高市「巾着田」
《彼岸花》
の群生

一方、菊芋という繁殖力の強い植物があります。一般にいわれる菊芋ではないかもしれないが、栽培というよりほったらかしで畑の片隅に息づいています。

畑に小石が出てくると一ヶ所に集めて塚(ツカ)が出来上がり、そこに勝手に茂っていました。この芋は積極的に食するものでなく、漬物のスパイスに使うものですと教えられました。

彼岸花の様々な一面を綴ってみました。

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