2018年度の始まりに当たり
年の括りは1月1日から始まりますが、行政会計などは4月1日から始まりその1年を事業年度または年度と呼称します。新しい年度が始まりました。思っていることを連ねてみます。
かつて、文章は手書きが主でした。近年は筆、鉛筆、万年筆、ボールペンなどで縦書きか横書きで紙に書くことが一般的で、パソコンやスマホの普及によって電子表現が大勢を占めるように変わっています。そうすると従来の約束事に縛られることに不都合をきたしています。
以前は原稿用紙に書くことを前提にしていましたので、段落(paragragh)の始まりには空白1文字を置くのが原則でしたが、今では英語の文章のように空白行の後、次の行の先頭から書くことが多くなっています。
日本では和洋折衷の言葉に代表されるように、外からの文化を取り入れながらも古くからの独自文化を残しています。電子機器がこれほど普及したのに、わざわざ手書きもないもんだとの考えには簡単に与(くみ)することはできませんが、手書きの良さはひとまず置いておきます。
電子表現は過去の文例の再利用や多くの人に迅速に低額で伝えることができます。テレビ番組や新聞の投書にもワープロを用いて紙に印刷したものや電子媒体そのものを送ることが多くなっています。
ワープロによる表現は千変万化ですが、段落は1行の空白を置く人が多いようです。先頭に1字の空白では物足りません。
行間が狭く脇に振り仮名を付けることもままならず、難読地名の振り仮名は及位(のぞき)のように同一行になります。
右の例は超難読名前の例です。同一行に振り仮名を振る方法では不十分です。2行にすれば複数字全体での読み方であることが明らかになります。
今は、和文を電子表現する長~い実験期なのです。そろそろ、戦国時代は終わりにして統一の時期に至っているのではないでしょうか。
標準・共通・基本など
和文を電子表現するデファクトスタンダード(市場の力関係などで決まる事実上の標準)に成功した例はないのではないでしょうか。ワードやエクセルなどのツールは有料であり1つの企業が開発したものです。これが無料ならばデファクトスタンダードとなったことでしょう。
左揃え
一方、世界中の利用者が知恵を絞って規約化したHTMLは無料です。段落表現にparagraghを意味するpタグ(要素)があり、先頭に1字の空白ではなく空白行を置くことになっています。
左揃えと中央揃え
ワードやエクセルには左揃えや中央揃えがあり、なんとかの一つ覚えのごとく、歌の歌詞なども中央揃えをする人がいます。案内状や議事録を作るにはエクセルよりワードを使ってもらいたいものです。
次の中央揃えの例は読みやすいとは言えません。
履歴書の特技欄などのワードやエクセルの操作に熟達も違和感を抱きます。
「トヨタカローラ運転可、日産ブルーバード運転できます」などの表現は「運転免許証所有」が一般的な表現です。
車運転技能において特定の車種を挙げるのはおかしく、先の例ではワープロソフト・表計算ソフトを習熟などの表現が望ましいのではないのだろうか。
さいごに
段落について思いを語りました。連綿と続いてきた日本古来の文化を特定のシステムメーカーに決められるのはいかがなものでしょう。新しいものが現れて群雄割拠だったり、混戦模様の場合には規格などを統一せず、流れに任せることが大切とも言われています。あれこれ悩まずとも自然に読みやすい表現に落ち着くことでしょう。