暗号と符牒
暗号や符牒はスパイ小説のなかで使われるほか、日常生活を助けます。テレビの黎明期、VTRは高額で生放送が多く、ある役者はテレビの本番までは結論を出すからと家を出るときに、本番時に右手を挙げたときはGo,左手を挙げたときはNo goだからテレビを見逃さないようにと家人に伝えたそうです。
符牒と言えばトイレに行くことを直截な表現でなく「5番に行って来ます」などとあらかじめ決めて置いた慣用句を使うこともあります。
イースターエッグ
イースターエッグとは、キリスト教の復活祭(イースター)を祝うために、色とりどりの卵を隠して、子ども達が探して遊ぶ行事です。コンピュータの世界では遊び心で、コンピュータのソフトウェアに本来の機能や目的とは関連のないメッセージや画面を挿入するユーモアの一種です。
著作権対策と遊び心
暗号の作り方と少し異なりますが、この手法は法律の時効のように後になって公知になることがあります。他社で開発した辞書をコピーしてワープロソフトを販売する違法行為の防止に、めったに使われない単語を変換しようとすると特定の漢字に変換される仕掛けを折り込んだり、開発者にしか思いつかない用語を指定した場合に、自分の娘の名前に変換されるように組み込んだイースターエッグ入りワープロソフトがありました。
Windows95開発チームのメンバー名
Windows95開発チームのメンバー名を表示する隠しコマンドがあったことも知られています。マイクロソフトから公開されていますが、SHIFTキーを連続5回、押して見てください。特殊なメニューが現れます。
あうんの呼吸など、暗号らしくなくそれとなく意思を伝える奥深きは東洋文化でしょうか。暗号文の作り方として、気分を害することなく特定の人に情報を伝える手段は個々人のなかにあります。