かつては通信手段として、手紙やハガキが主流でした。ハガキが5円で手紙は10円という時期が長く続いていました。手紙の場合、便箋1枚で用が足りても空白の用紙を1枚加えて最低でも2ページにして送るというのが礼儀とされていましたが、最近、この礼儀は廃れたように感じます。資源の無駄使いに厳しくなっているのでしょうか。
返信用のハガキにあらかじめ、こちらの住所を書き込んで先方に渡す場合、敬称はC案の「様」でなくA案の「行」にするのがマナーです。この論拠は自分に敬称をつけるのはおかしいという発想ですがそろそろ、普通に「様」にする時期のように考えます。
受け取った側に取り消し線を引かせて「様」と追記させることの方が失礼にあたるのではないでしょうか。 相手に煩わしさを与えたくないと思いつつも、評価の定まっていない常識を先頭切って実行できない場合はB案を推奨します。B案なら相手の手間も省け、礼儀知らずと評価されることもありません。
旧聞に属する話ですが「秋山ちえ子の談話室」で同じ意見を聞き、我が意を得たりと膝をたたきました。奥深い江戸しぐさについていつか語るつもりです。