管理のしくみ
外国には単数と複数を厳密に分ける言語が多いのに対して、日本語がそれほどでもなく曖昧のようです。英語では単数名詞にsやesを追加して複数名詞にしています。
child→chileren、foot→feetのように不規則なもの、単複同型(sheep…)もあり、入試に取り上げられています。また、不定冠詞、定冠詞の使い方も単純ながら厳密です。
複数名詞に重きを置かない日本語が劣っているかと言えば、そうでもない気がします。
本、皿、枚などの豊富な助数詞があり、数と助数詞が発音しやすいように変化します。
1本(いっぽん)、2本(にほん)、3本(さんぼん)のように、発音します。言語にはそれぞれに特徴があるのです。清音、濁音、半濁音は数の大小を示唆することがあります。
数、規模、範囲など大きくなると管理の原理が導入されます。今回は、組織化、自動化などについて触れてみます。
管理化に導く
鉄道の切符を自動券売機発売にしてSUICAが導入されるまでは数十年かかったような気がします。切符購入に一刻も早くSUICAを使ってもらうように、当局では乗降や乗り換えにおいてSUICA利用者を近道に、裏が磁気化された切符を持っている客は遠回りするように誘導しました。それが功を奏したのかSUICAは瞬く間に普及しました。
銀行や郵便局では順番待ちの札を渡す代わりに、バーコード付きの整理券を自動発行する仕組みを採用しました。ワンマンバスになったときにも体験しましたが、切り替えについていけない利用者を怒る係員がいて問題になりました。
ラジオ番組を持っているある作詞者は自分のやり方に従ってもらうのだから、もっと丁寧に応接すべきと発言していました。
極限まで人間を管理する
先日、中核病院内科の診察を受けました。大きな駐車場が3つほどあり、その従業員だけでも10人を越えるようです。多くの利用者が集まるので隅々まで管理が行き届いていました。何かの役に立つとの思いでその一端を表示します。
診察に至るまで、以下の順序で案内を受けました。今回、薬の処方箋が発行されていません。多くは処方箋が発行されるので、もう2~3工程増える勘定になります。
理
化
社
会
順番号 | 内容 | 補足説明 |
1 | 駐車場案内 | 係員一次誘導 |
2 | 駐車券受け取り | 自動発券 |
3 | 駐車位置指定 | 係員二次誘導 |
4 | 総合案内所 | |
5 | 紹介受付 | |
6 | 外来受付 | |
7 | 問診票作成 | 一般待合室で記入 |
8 | 内科中待合室で待機 | |
9 | 診察 | 約5分 |
10 | 予約案内 | |
11 | 採血自動受付 | 自動受付書を発行 |
12 | 採血受付 | 自動受付書を係員に |
13 | 採血 | |
14 | 内視鏡検査予約 | |
15 | 内科次回診察予約 | |
16 | 会計待ち列に並ぶ | |
17 | 診察請求書発行 | 駐車券に押印 |
18 | 診察請求書発行完了待ち | モニタ画面に表示 |
19 | 会計自動支払い | 発券表をかざす |
20 | 駐車券利用確認 | 係員が会計支払いを確認 |
21 | 駐車料自動支払い | 自動支払機に支払う |
さいごに
中国思想書には、紀元前の古くから大衆管理のノウハウが解説されています。このように、事細かに管理されると息がつまります。
創造力、想像力が著しく失われるようで、複雑な気分になりました。
このたびの体験で、それぞれの世代に雇用を用意し多くの人材を配して麗しい情景のようにも感じましたが、一昔前に体験した隣国の状況を挙げておきます。
今では改良されたかも知れませんが、人口の多いある隣国で自動販売機の前に係員がいて、下から出てきた商品を手渡している光景を思い出しました。