新しい文化の吸収
日本は島国ながら、東西の文化を吸収していち早く新しい息吹をもたらしました。万葉集に収録された和歌によると一部の知識層だけが歌を詠んだということではないようです。
わが国において、四季がはっきり区別され、何の努力もせずに食料にありつけるほどに恵まれた環境になく、その分、研究熱心な民族だったのでしょうか。
江戸時代の識字率は世界のトップクラスにあり、識字率の高さが明治維新を成功に導いたとも言われています。
和を以て貴しとなす
島国において、思想的な行き違いで陸伝いに他国へ逃げることもかなわず、『和を以て貴しとなす』との考えが大勢を占めることが多くなります。他国が陸続きだとだいぶ様相が異なります。
一世を風靡した映画「サウンド・オブ・ミュージック」では、一家全員でナチスからの迫害から逃れてアルプスを越えて隣国へ亡命するシーンが感動的でした。
協力、同調は付和雷同と紙一重です。《和を以て貴しとなす》は儒教を中心とした東洋思想の一つでしょうか。その言葉は四書五経の「礼記(らいき)」に残されていますが、農耕民族に合わせた思想と考えます。
国会議事堂
日本の国会議事堂の座席も円形模様に徹底した議論を戦わすためのものではないようです。
ディベート
欧米の議会は徹底した論陣に向くディベート用に2つに分かれているものが多いです。多様な考えを許容することは管理が難しいです。
イギリス下院
そのため、一定のレベルに達しない発展途上状態では独裁体制も容認されやすく、急成長を遂げたゴールには多様性を希求する声が満ち溢れ、成長鈍化になることが常のようです。
多様性を受け入れる
今は、世代間のギャップが広がりつつあるように感じられます。これも、「他と異なる生き方を認めにくい」考え方にあるように思えます。
かつて、親が元気なうちは子育てを親にまかせ、やがて老いて人生の終末期は親が子供の世話になるケースが多かったのですが、若い夫婦に子供が生まれると、今では何が何でも保育園に入れ、二人で働くことが一般化しています。
一括りの世界から脱却
親の経済力から大学への進学を諦め、社会人となってお金を貯めてその後、大学進学して卒業という生き方もありますが、少数派が生きにくい時代です。
医大生などを除けば30歳近い大学生は一般就職は難しいです。それでも難関の国家試験を突破すれば、道は開けるでしょう。
もっと、右に行けば成功しやすいが、左に向かって努力してもある程度報われるという体制にならないと、世代間の争いはなくならないことでしょう。
和を以て貴しとなすも悪くありませんが、和して同ぜずが活かされる世界を待望します。